出向先からのお便り
当院では国内外に出向しております。小児救急、離島医療また、留学、厚生労働省への出向なども行っております。
あいち小児保健医療総合センター
救急科 医長 石川祥一郎
経歴
2008年 東海大学医学部付属病院 臨床研修医
2010年 東海大学医学部付属病院 救命救急科 臨床助手
大学病院(救命救急科・小児科)、小田原市立病院(救急科)などで勤務
2015年 あいち小児保健医療総合センター 救急科 医長
東海大救急で学んだこと
「学んだこと」と改まると、具体的に挙げることが難しいですが、いまの自分の「すべて」は東海大救急で学んだことがベースになっています。「救急医があきらめたら終わり」「どのような患者さんにも最善の治療を追求する」という姿勢と、その方法は7年間の東海大生活で学んだ最大の財産です。一緒に当直を経験した先輩、後輩とのつながりも宝物です。
小児救急を選んだ理由
初期研修を終えるとき、「救急」「小児科」を悩みました。『誰のどんな主訴でも、まずは診察する』ことをしたいと思っていました。救急科の先生方が「1年間のうち9か月救命救急科、3か月小児科」という後期研修をお許し下さり、無事に救急科専門医を取得することができました。東海大救急で学んだことを活かしながら、小児科の勉強に力を入れることを考えていたところ、学会活動の場で現施設の先生とご縁をいただき、今に至ります。
現施設での小児救急でのレポート
『あいち小児』は名古屋市に隣接する大府市にある小児専門病院です。小児救命救急センターの指定を受けており、救急外来は初期救急から三次救急に対応します。赴任した当初、小児救急医が家庭内の事故による外傷で受診されたお子さんを診療して、ご家族のかたへ患児の発達段階に応じた「事故予防」の指導を行う様子を見て、「小児救急」の奥行きの深さを感じました。東海大救急では「救急」「外傷」「集中治療」を濃厚に経験しましたが、そこに「小児」のエッセンスが加わり、日々新しい発見があります。
当施設は中部地方で最大規模の小児集中治療室(PICU)を有しており、他施設から重症患者さんの収容依頼を受けると、救急科医師を中心とした「重症小児搬送チーム」を病院救急車で派遣して患者さんを搬送する、「迎え搬送」を行っています。搬送元施設で安定化処置を行い、治療を継続しながら病院救急車やドクターヘリで患者さんを搬送します。自身は神奈川県ドクターヘリでの経験を活かし、愛知県ドクターヘリのフライトドクターとして月2回従事しています。顔の見える関係ができたドクターヘリ基地病院の先生方からご協力をいただきながら、スムーズに重症小児患者さんのドクターヘリ搬送が行えています。
また、当施設は中部地方の小児専門病院として各科が専門的な治療を行っていますが、より高度な治療を必要とするお子さんもいらっしゃいます。肝臓や肺の移植や気管の手術など、高度な専門的治療を必要とするお子さんの県外への長距離搬送も経験しました。搬送手段は救急車だけでなく、消防防災ヘリ、新幹線、航空自衛隊機、民間旅客機と多岐にわたります。
研究活動についても、地元企業と県内の大学との共同研究として、小児救急医療に利用できる新しい医療デバイスの開発に取り組んでいます。
最後にメッセージ
救急を志す先生方へ
東海大救急では、夜間休日診療所から高度救命救急センターの診療、その先の慢性期の管理まで経験できます。内因性疾患、外傷・中毒・熱傷、減圧症と患者さんの主訴はさまざまです。病院内での診療だけでなく、ドクターヘリ、ワークステーション、さらに、洋上救急といった病院前救急診療もある、守備範囲のとても広い施設です。東海大を離れたいま、東海大救急の「診療スピード感」は一流だったことを実感しています。これほどのスピード感をもった救急診療をしている施設は、なかなか見つからないのではないかと思います。東海大救急に行って、後悔はしないと思います!
小児救急を志す先生方へ
自分は「成人救急」から小児救急の道に入りました。小児救急の分野には、小児科から来た先生、集中治療から来た先生、麻酔科から来た先生と色々な背景の先生がいます。みんな得意な分野があり、日々助け合っています。あいち小児での診療が始まって数年が経ちましたが、東海大での経験すべてが、いま役立っています。「どこから小児救急に入ろう・・・」と悩んでいる先生、東海大救急もアリですよ!
あいち小児保健医療総合センター https://www.achmc.pref.aichi.jp/
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